
- 「定年後」について、簡単にイメージできないかな
- 難しい本は今はムリ
- 気楽に読める小説とかないかな
そのような気分の時があります。
仕事で疲れている時は、あまり難しい本は読みたくないですよね。
本記事では、「定年後」について、イメージをふくらませられるよう、「定年」をテーマとしたオススメの小説を3冊ご案内します。
- 「毎日が日曜日」
- 「定年ゴジラ」
- 「終わった人」
出版された年代を、当時の定年年齢や時事ニュースと一緒に時系列で一覧表にしました。
なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか。
映画化された小説もありますので、映画をみるのもよいかもしれません。

年代 | 1976年 (昭和51年) 約50年前 | 1986年 (昭和61年) 約40年前 | 1998年 (平成10年) 約25年前 | 2014年 (平成26年) 約10年前 | 2025年 (令和7年) |
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オススメ小説 | 「毎日が日曜日」 | 「定年ゴジラ」 | 「終わった人」 2018年映画化 | ||
当時 定年年齢 | 55歳 | 60歳 努力義務 スタート | 60歳 義務化 | 65歳 努力義務 スタート | 65歳 義務化 |
前後時事 | 1975年 ロッキード事件 | 1986年 ~1991年 バブル景気 | 1999年 日産自動車 仏ルノーの傘下に | 2012年 スカイツリー開業 |
さっそくご案内します。
「毎日が日曜日」城山 三郎 著(新潮文庫)

「毎日が日曜日」は、経済小説で有名な作家、城山三郎さんのベストセラー小説です。
初版は1976年(昭和51年)ですので、50年ほど前の「定年」の話になります。
1975年は「ロッキード事件」が世間を騒がせた時代です。
60歳定年の努力義務化が始まったのが1986年からですので、まだ55歳定年が一般的な時代の小説ですね。
主人公は大手商社マン。
左遷されるところから始まりますが、東京駅の新幹線ホームで皆が見送るオープニングにすでに時代背景を感じさせます。
商社マンを「兵隊」に例えたりと、今の世代は想像もできない勤務状況といえます。
しかし、コロナ前まではこの時代の流れが続いていたなと思うのは私だけではないでしょう。
主人公の「沖」以上に悩んでいるのが、定年を迎える先輩の「笹上」です。
正直この小説の主人公は「笹上」じゃないかと思うくらい登場回数が多いです。
「笹上」の「定年」前後の心の揺れは主人公より面白く、滑稽かつ悲哀が漂い、どうしても気になってしまします。
昭和世代にとっては、共感できるところが多い小説です。
お役立ち情報
「定年小説」を読んでいると、普段は浮かんでこないいろいろな「感情」や「考え」が浮かんできます。
浮かんできたことばは、忘れないうちに必ず「メモ」することをオススメします。
定年前の今しか感じることのできない貴重な感想なのです。
近い将来必ず役立つことを保証します。
「メモ」のコツはこちらにまとめています»
「メモ」の具体的な役立て方はこちらです»
「定年ゴジラ」重松 清 著(講談社文庫)

「定年ゴジラ」は、直木賞作家の重松 清さんの作品で、その後ドラマ化もされています。
1998年(平成10年)出版ですので、「毎日が日曜日」から20年ほど後、今から25年ほど前の作品です。
1999年は、日産自動車が仏ルノーの傘下に入り、カルロスゴーンの「日産リバイバルプラン」が印象的な年でした。
そのような時代の話です。
1998年に60歳の法定定年年齢が義務化されたので、この時期の定年は60歳があたり前の時代になっていたでしょう。
銀行マンだった主人公が「定年後」に始めた日課の「朝散歩」から始まります。
住んでいるのは「ニュータウン」というところが、この年代の時代背景を感じさせますね。
「定年後」とくにやりたいコトをやるわけでもなく、ほぼノープランで定年をむかえるなど、現在にもあてはまる典型的な「定年」の姿といえます。
新しく知り合った近所の人たちとの交流をへて、それぞれが自分の生き方を模索していくといったストーリーです。
自分の生き方を再構築するのは、なかなか大変なのだなぁと実感しながら読むことができます。
この時代背景がドンピシャの方が多いのではないでしょうか。
「終わった人」内館 牧子 著(講談社文庫)

「終わった人」は、脚本家として有名な内館牧子さんの作品で、映画化もされています。
2014年(平成26年)に新聞に連載された小説ですので、「定年ゴジラ」から16年後、今(2024年)から10年ほど前の作品です。
2012年にスカイツリーが開業したので、だいぶ現在に近づいてきた感じがしますね。
2013年から65歳までの雇用確保の努力義務化がスタートしています。
主人公は、またまた銀行マンです。
63歳で定年を迎えるところから始まります。
エリートコースをひた走っていたのに、49歳で子会社に出向、51歳で転籍させられ、そのまま定年となります。
定年といっても子会社の役員ですから、作品中では敗者のように描かれていますが、給料や退職金を想像するとじゅうぶん勝者のような気がします。
この時代でも、主人公は仕事一筋で、定年後はやることがなく退屈な日々を送っているという設定です。
退屈しのぎが、スポーツジムだったりカルチャースクールだったりするところが「定年ゴジラ」と時代の差を感じます。
一時、大学進学を考えるところは、まさに「リカレント」のはしりではないでしょうか。
IT起業の若手社長と出会うところから、脚本家らしい急展開が始まり、現実ではあまり起こりえないようなストーリーながらも最後まで楽しめます。
「終わった人」映画版
「映画」版の方は、主演が舘ひろしさん、監督は「リング」や「貞子」が代表作の中田秀夫さんです。
本よりも映画の方が好きな方にはおすすめです。
「定年」をテーマにしたおすすめ映画はこちらで紹介しています»
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本好きの方に次におすすめするのはこちらです»
今回ご紹介した3冊の小説は、時代を経て、労働環境や時代背景は変われど、「定年」を境に、自分の「生き方」で悩むところは昔も今も変わらないことを実感できます。
今回は以上になります。