この記事では、『「定年」の新常識2024』と銘打たれた、雑誌「PRESIDENT(プレジデント)」2024.3.29発売号をご紹介します。
筆者は「雑誌」の情報に不信感が強いのですが、こちらの雑誌はしっかりと取材されていると感じました。
随所に、雑誌ならではの大袈裟なタイトルがありますが、そこは割り引いて読む必要があります。
例えば、「9割は準備不足で大損!」、「金持ち定年vs.貧乏定年」、「申請すれば1800万円の差!」、「なぜ、早く行動に移せなかったか 50代60代リアル後悔」などです。
あおってきますよね。
キャッチコピーなので仕方ないですね。
ちなみに、普段「PRESIDENT(プレジデント)」を手に取る機会は少ないのですが、「東京しごとセンター」(東京・飯田橋)の書籍コーナーで見かけ、バックナンバーを購入した次第です。
まあ、目について手に取ったのはこのタイトルに導かれてのことでした。
すぐに購入してしまったことを考えると、大袈裟なタイトルは成功だったということですね。
さっそく内容のご紹介です。
結論からいいますと、「『お金』『しごと』『生活・生きがい』についてざっと最新動向がつかめる最適な雑誌」です。
「定年後」に感じる漠然としたモヤモヤ感がある方が、肩ひじはらずにパラパラと読むスタイルがよさそうです。
「様々な人のいろいろな視点があるんだなぁ」と思えるのではないでしょうか。
ただ、そこに「自分の定年後のこたえ」は書いてありませんので、あくまで参考情報という位置づけです。
観光地によくある、観光概略マップみたいなイメージがぴったりです。
記事のバランスはこんな感じでした。
「お金」について(36%)、「しとご」について(15%)、「生活・生きがい」について(49%)
金融系のスポンサーが多かったので、最終的に「投資」系の関心に落としたいのかもしれません。そのため、「お金」記事は少々あおるトーンを感じますので、このあたりは割り引いて読んでもよいかもしれません。
目次は次のとおりです。
この雑誌の購入を決めた一番の理由は、P16のしょっぱなの記事が「楠木 新さん」が書かれていたからです。
ページをめくった時に思わず「おー、楠木さんじゃないですか」と、お会いしたこともないのにつぶやいてしまいました。
「金持ち定年への4つの分岐点」という大げさなタイトルは、楠木さんらしくなく編集者がつけたと思いますが、内容は楠木さんらしい堅実な視点からの「お金」への考察で大変参考になります。
楠木 新さんの書籍は、別記事でも紹介していますのでそちらもぜひ参照してみてください。
P24には株式会社スマイルズ代表の「遠山 正道さん」が登場しました。
「おー、遠山さん、お久しぶりです」と思ってしまいました。(もちろんお会いしたことありません)
スープストックトーキョーを立ち上げた時の話を書いた本「スープで、いきます」を、久しぶりに読み返してみるかなと思いました。
雑誌にはこういった、自分で考えもしない偶然の出会いがありますね。
ただ、この記事は本筋とは関係のないJR東海とのタイアップ記事でした。
P62の記事『満足度が高いのはどれ?「定年後の仕事」4タイプ(定年延長、転職、再雇用、起業・フリーランス)』は坂本 貴志さんが書かれていました。
「おー、坂本さんもいらっしゃいましたか」
過去1冊書籍を読んだだけなのに、お名前を見つけただけで親しみもひとしおです。
記事内容は書籍と同じ方向性でまとめられており、こちらもとても参考になります。
「小さな仕事」という表現はあいかわらず気になりましたが…。
坂本さんの書籍も別記事でご紹介しているので、よろしければこちらもぜひお読みください!
P54の記事『最新研究が教える、人生の幸福感を最大化させる「50代からの7大行動」』も興味深い記事でした。
幸福感のU字型カーブを紹介しつつ、さまざまな事例から7つの視点で幸福感を感じさせる行動を解説しています。
法政大学教授の石山 恒貴さんが書かれているのですが、この方の他の書籍も読んでみたくなりました。
最後に、おもしろかったコラム記事を2つご紹介します。
こういった記事は雑誌ならではといえます。
1つめは、P106 池田 清彦さんへの著者インタビュー記事です。
存じ上げませんでしたが、生物学者の方でした。
本のタイトルにひかれました。
『人生に「意味」なんかいらない』です。
生物界に意味のないものが多いことからくる人生論とのこと。
今度読んでみよう!と思った記事でした。
2つめは、P119 「あなたvsマウント どちらが上か張り合う人に悩まされない方法」です。
ジャーナリストの笹井 恵理子さんの記事です。
マウントを取る人の話ですが、嫌な思いをした時にこそ、自分の中にある自己顕示欲を認識して自分を見つめなおそうという興味深い内容でした。
全体として、なかなか読み応えのある「PRESIDENT(プレジデント)」の「定年特集」でした。
最近はすっかり「雑誌」を読まなくなりましたが、パラパラと読みながら偶然目にする新たな出会いがある「雑誌」の良さを再認識しました。
今回は以上です。