自己分析法!定年後を考える50代のモヤモヤを解消「ブレインダンプ」

ブラインダンプ
  • 頭の中がごちゃごちゃして、考えがまとまらない
  • モヤモヤを整理してスッキリしたい
  • 何を悩んでいるのかすらわからなくなってきた

このように感じていませんか。

その悩みの解決にピッタリの、ひとりでできる自己分析の方法をご紹介します。

その方法とは「ブレインダンプ」です。

本記事の内容

・定年後を考えたらモヤモヤしてきた。その理由とは

モヤモヤの正体は、整理されていない「自分」

・自己分析法「ブレインダンプ」。一人でできる「自分」整理

・「ブレインダンプ」でモヤモヤを整理する手順。2ステップ

本記事の信頼性
  • 「ブレインダンプ」はビジネスやクリエイティブ業界でアイデアを整理する方法として使われている。
  • 書き出す」という手法の有効性は、心理学の分野でも実証されている。
  • 筆者が実際にためして効果を実感した。

この記事を書いている筆者は、心理学科卒の中小企業診断士。実際にためしてみて、モヤモヤしていた状態の解消に効果を実感しました。自分の経験と知識で「ブレインダンプ」の有効性とやり方を解説します。

「ブレインダンプ」のやり方をわかりやすく解説しているおすすめ本はこちらです。

  • 『ブレインダンプ ~必ず成果が出る脅威の思考法~』谷澤 潤 著(東洋経済新報社)

この本をベースに「ブレインダンプ」の手法を解説いたします。

「ブレインダンプ」とは、ブレイン(脳)の中を、ダンプする(すべて書き出す)という意味があります。

ビジネスやクリエイティブな分野で広く活用されている「思考法」です。

考えを一気に書き出すことで、アタマの中のアイデアや情報を整理するのに有効な方法になります。

似ているものに「ブレインストーミング」があります。

ブレイン(脳)を、ストーミング(かき回す)という意味です。

数人で多用な視点やアイデアをぶつけることによって、新しい解決策やアイデアを創出する手法です。

こちらも、ビジネスでは一般的ですので実際に使っている方も多いのではないでしょうか。

今回の目的「定年後のモヤモヤを整理する」には、「ブレインダンプ」の手法がぴったりです。

ライティング

「書き出す」という手法の有効性はビジネスだけでなく、心理学の分野でも研究されています。

心理学者ジェームズ・ペネベーカー博士が提唱する「エクスプレッシブ・ライティング(筆記開示法)」は、自分の感情や出来事について自由に書き出すことで、ストレスや不安が軽減され、自己理解が進むというメンタルケアの手法です。

現在では、「ジャーナリング(書く瞑想)」として、メンタルケアの分野で広く活用されています。

【参考】

・マイナビニュース「エクスプレッシブライティング」

・集英社「yoi」〜”書く瞑想”「ジャーナリング」とは?〜

つまり、「ブレインダンプ」には、

モヤモヤする「あたま」の整理と、

あせる「こころ」の不安軽減の効果があるのです。

一石二鳥、時間がない会社員にはうれしい手法ですね。

前置きが長くなりましたが、さっそくはじめましょう。

定年後を考えたらモヤモヤしてきた。その理由とは

モヤモヤしているあたまの中の状態

モヤモヤ

モヤモヤするとはこんな状態ではないでしょうか。

・ばくぜんとした不安がある

・具体的な理由が明確でない

・何か腑に落ちない気持ちを感じる

・このままでいいのかという焦りがある

このような状態で必死に考えるのですが、頭の中はこんなだったりします。

「自分は今、必死で考えているんだ!」と主張する人の頭の中をのぞいてみたら、そこは、

ああ、どうしよう。困った。このままじゃダメだ! とりあえず様子をみてみようか?

いやダメだ。それじゃあ悪くなるばっかりだ。なんとかしなくちゃ。でもどうすればいいんだろう?

誰かに相談すべきだろうか? でも誰に? 誰に話せばいいんだ?

うーん、いったいオレはどうすればいいんだろう⁉」

という状態だったりします。これを私たちは「考えている」と呼ぶのでしょうか? これが「思考」でしょうか?

とてもそうは思えませんよね。むしろこれでは「なにも考えていない」状態に近い気さえします。

『自分のアタマで考えよう』ちきりん著 P2 「序」より)

これはまさに、57歳の筆者の状況です。

当然なにも解決せず、時間ばかりがすぎていました。

その時に「ブレインダンプ」を知っていればどんなにたすかったことでしょう。

そもそも、なぜ「定年後」のことを考えるとモヤモヤするのか

初挑戦

そもそも、なぜ「定年後」のことを考えるとモヤモヤするのでしょう。

その理由は簡単です。

「定年後」を、まだ経験していないからです。

やったことがなければ、不安になるのは当然です。

環境がどうかわるのか、どんなことが起きるのか、準備はどうすればいいのか、今までの経験は役に立つのか…心配はつきません。

はじめの海外旅行、しかも一人でいくとしたら、同じように不安になることでしょう。

でも5回もいけば、どんな行き先であっても慣れたものです。不安も感じません。

「定年後」も5回繰りかえせば、不安はなくなるでしょう。

ただ、「定年後」は繰り返せないので、よけいに心配になります。

準備をしようにも、仕事が忙しく時間がとれません。

何もこたえが見つからないまま、気づくと1年過ぎて58歳になっています。

真面目な人ほど、あせりが高まります。

「定年後」のことを考えるとモヤモヤするのは当然のことなのです。

モヤモヤの正体は、整理されていない「自分」だった

答えは自分の中にある

不安のこたえはどこにあるのでしょうか。

それは、ずばり「自分」の中にあります。

「定年後」先駆者である先輩方が、私たちのためにそのようにアドバイスしてくれています。

(先輩方の有益なアドバイスは、「定年後」の概要カテゴリーの記事でご紹介しています。興味があるかたはぜひ参考にしてください。)

端的に示しているのは「LIFE SHIFT」(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著)のこのことばです。

100年ライフの時代に、どのような生き方が有効で、どのような選択が最善なのか? 誰もそれを知りたいだろう。(中略)

しかし、率直に言って、未来について正確なことは誰にもわからない。(中略)

重要なのは、あとで変化を突きつけられるのではなく、いま変化を予期して行動することだ。(中略)

「私は何者か?」「私はどのように生きるべきか?」という問いにこたえられるのは、結局のところは本人しかいない。

(『LIFE SHIFT』P33~34 序章「100年ライフ」、P356~360 終章「変革への課題」より)

未来のことは誰にもわからないし、自分がどのように生きるべきなのかは本人しか答えられないということなのです。

LIFE-SHIFT

自己分析法「ブレインダンプ」。一人でできる「自分」整理

ノートとペン

「ブレインダンプ」がおすすめなのは、誰にも迷惑をかけず一人ですぐにはじめられるところです。

必要なものも、ノートとペンだけですので簡単です。

悩みのこたえは「自分」の中にあるのですから、絞りだしさえすれば解決したも同然です。

悩める会社員にはこれ以上の方法はありません。

「ブレインダンプ」でモヤモヤを整理する手順。2ステップ

ブレインダンプ

「ブレインダンプ」の手法は単純です。

やることは2つだけです。

[Step1] 手を止めずに書き続ける

[Step2] 書き出したものを俯瞰しグルーピングする

より効果があがるように、「書くツール」(なにで書くか)と、「書く場所」(どこで書くか)も参考までにご紹介します。

参考① 「書くツール」(なにで書くか)

参考② 「書く場所」(どこで書くか)

[Step1] 手を止めずに書き続ける

さっそく、書きだしてみましょう。

実は、これだけでもじゅうぶん効果があります。

今回の目的は、「定年後のモヤモヤ」の解消です。

なので、「いまモヤモヤしていること」を書き出していきます。

ただ、これをスラスラと書き出せるようなら、そもそもモヤモヤなどしてません。

なので詰まってきたら、関連テーマからアプローチしていきます。

自由連想
書き出すテーマ(関連テーマ)
  • 「いまモヤモヤしていること」
  • 「定年後に不安こと」「心配なこと」「問題点」:お金、仕事、子ども、親、夫婦
  • 「欲しいもの」「手に入れたいもの」:私利私欲を出し切る
  • 「やりたいこと」「やっていると楽しいこと」
  • 「絶対にやりたくないこと」「やっっていると嫌なこと」

書き出しているうちに、連想することをどんどん書き出していきます。

「欲しいもの」「手に入れたいもの」を書き出すときは、私利私欲を出し切ることがポイントです。

私利私欲をむき出しにして、純粋にあなたの欲しいもの、なりたい状態を、迷いなく、遠慮なく、恥じることなく書き出してほしい。

(『ブレインダンプ』P122 Chapter4「ブレインダンプの実践法」より)

「やりたいこと」「やっていると楽しいこと」も、すぐに出てこないかもしれません。

その時は逆のアプローチをすると不思議とスラスラと出てきます。

「絶対にやりたくないこと」「やっていると本当に嫌なこと」

これはすぐに思いつきますね。

丸一日
書き出す時間
  • 時間は、丸一日
  • 最低でも6時間

『ブレインダンプ』P121 Chapter4「ブレインダンプの実践法」より

『ブレインダンプ』では、丸一日、最低でも6時間をすすめています。

「いやいや、そんな時間は取れないよ」

忙しくてなかなかまとまった時間が取れないかもしれません。でもここは「ひとり合宿」をやると決めて予定を入れてしまいましょう。

筆者の体験では、1~2時間などあっという間にたってしまい、あたまの中を出し切るにはまったく足りませんでした。

例えば、午前7時から開始して12時までで5時間、午後1時から再開して6時までで5時間。

これで10時間です。

はじめは慣れないので丸一日でも足りないというのが実感です。

とにかく、「脳が脱水症状を起こして悲鳴をあげる」まで、出し切るまでとことんやることがポイントです。(『ブレインダンプ』P116)

「これがすべてだ」とわかったときに、覚悟が決まり、力強く行動することができる。

反対に「ひょっとしたらこれですべてじゃないかもしれない」「ほかにまだ選択肢があるのかもしれない」という気持ちがほんのわずかでもあると、そのわずかな「漏れ」がとても気になって、力強い行動を起こすことができない。

(『ブレインダンプ』P110 Chapter 4「ブレインダンプの実践法」より)
箇条書き
書き方
  • 箇条書きにする
  • 1行には1つの内容にする

書き出すときは文章ではなく、箇条書きにします。

また、なるべく1項目に1つの内容にすると次のグルーピング作業がスムーズになります。

例えば、

「親の介護に費用がかかり、年金では生活資金が不足するかもしれない不安がある」

であれば、

「親の介護費用がどのぐらいかかるか不安」

「年金の額がわからず不安」

「生活費がどのぐらいかかるか不安」

などです。

でも、これも書き方にこだわりすぎず、連想したことばを書き出すほうを優先させてください。

脳を活性化させるきっかけ

メモ

脳を活性化させるきっかけになることがあります。

それは、別記事でご紹介した「メモ」を見返すことです。

今まで、思いつくたびにスマホなどに書きとめていた「メモ」が、役に立つときがきました。

(メモのやり方をご紹介した記事「なんでもメモする ~デジタルメモ&手書きメモ~」も興味のある方はぜひお読みください。)

正面から考えてもなかなか脳は動かないものです。

今まで別記事でご紹介してきた、さまざまな「定年本」「定年映画」「定年小説」などにふれたときに、フッと浮かんだこと、感じたことは「無意識」からのメッセージです。

その言葉をきっかけに、新たな連想がでてくるはずです。

「常識」「あるべき姿」などは考えません。

いろいろなアプローチで「脳」を刺激して、自由連想をすすめていきます。

「常識」にとらわれないための書籍についても紹介しています。ぜひ参考にしてください。

»おすすめ本!定年常識を疑う視点が身につく3冊【厳選】

[Step2] 書き出したものを俯瞰しグルーピングする

KJ法

書き出し終わったら次のステップです。

書き出した内容を俯瞰し、関連する内容でグルーピングしていきます。

これをすることで、より明確化され、あたまがスッキリ整理されるのです。

グルーピングで参考にしたい方法が「KJ法(けいじぇいほう)」です。

「KJ法」は文化人類学者の川喜田 二郎氏が考案した、アイデアや情報を整理・分析するための手法になります。

特に難しい手順はありません。

「KJ法」を使ったグルーピング
  • ブレインダンプの内容を1項目ずつカード化(付箋など)する
  • カード(付箋など)を関連する内容ごとにグルーピングする
  • グループごとにわかりやすい見出しをつける(ラベリング)
  • グループごとの関連性を図式化する

アナログ方式では、「四角い付箋」「模造紙」を使います。

この方法は、俯瞰するには一番適していますし、作業の過程でもアタマが整理されるメリットがあります。

『ブレインダンプ』でも、大きな模造紙(W1091mm×H788mm)を推奨しています。

(P145 Capter4「ブレインダンプの実践 〜ブレインダンプに使う紙について〜」)

効果は高いのですが、場所を取りますし保存も大変なのがデメリットです。

そこでおすすめなのがデジタル方式、オンラインホワイトボードサービスを使う方法です。

ミロ
オンラインホワイトボードサービス「Miro(ミロ)」を使ったKJ法(デジタル方式)

「Miro(ミロ)」は、2022年6月より日本語版がリリース開始されたオンラインホワイトボードサービスです。

無料版でもじゅうぶん使えます。

KJ法テンプレート

「KJ法」のテンプレートまで用意されているのは驚きです。(テンプレート追加も無料)

ぜひ試してみてください。

「KJ法」を使ったグルーピングの進め方

  • ブレインダンプの内容を1項目ずつカード化(付箋など)する
    • 書き出した内容を付箋などに転記して、「カード化」していきます。
    • 重複していても省略せずに転記しましょう。
    • 重複しているカードが多ければ、それだけ気になっている内容ということです。

  • カード(付箋など)を関連する内容ごとにグルーピングする
    • 類似した内容のカードを集めて「グルーピング」していきます。

  • グループごとにわかりやすい見出しをつける(ラベリング)
    • グループごと、にわかりやすい「見出し」をつけます。

  • グループごとの関連性を図式化する
    • グループごとの関連性を矢印などでつなぎ、わかりやすく視覚化していきます。
    • グループが集まってより大きなグループができることもあります。
    • その場合は、新たに「見出し」をつけてまとめていきます。

図式化するときに役に立つ方法が「マインドマップ」です。

エッセンスを活用するだけでも大きな効果があります。

「KJ法」を使った「グルーピング」の作業をすることで、モヤモヤしていた内容は、明確化されスッキリ整理されます。

図式化されることで、直感的に理解できるようになっているはずです。

参考①「書くツール」(なにで書くか)

より効果が高まるツールをご紹介します。

おすすめの「書くツール」はこちらです。

『ブレインダンプ』著者の谷澤 潤氏、「東京セカンドキャリア塾」講師の木村 勝氏、最後に筆者のおすすめを紹介します。

木村 勝 氏も、さまざまなセミナーで「ブレインダンプ」の有効性を紹介しています。

(人気セミナー「東京セカンドキャリア塾」の体験ルポ!は、»体験ルポ!「定年後」を考える最強講座「東京セカンドキャリア塾」 で紹介しています。木村 勝 氏は講師のトップバッターでした。

また、別記事で、木村 勝 氏の著書『知らないと後悔する定年後の働き方』を紹介しています。興味のある方はぜひそちらもお読みください。)

  • 谷澤 潤 氏のおすすめ

『ブレインダンプ』 P112「ブレインダンプのやり方」より

「書くツール」理由
A4以上のノート、またはスケッチブック
できれば模造紙
書いたものを俯瞰しやすいように大きいもの
12色のカラーペン(三菱鉛筆ピュアカラーF)創造力と行動力を喚起するため
  • 木村 勝 氏のおすすめ

『東京セカンドキャリア塾』 選択講座「これからの働き方Part1」より

「書くツール」理由
RAODIA(ロディア)A3サイズのノート(5㎜方眼罫)制約なしに脳の中身をぶちまけられる

  • 筆者のおすすめ
「書くツール」理由
無印良品 らくがき帳B4サイズ・罫線がなく無地なので制約なく自由に書き込める
・B4サイズはぎりぎりビジネスバッグに入る
・1冊120円なので気軽に使うことができる
フリクションペン4色(黒、赤、青、緑)・自分で決めた色の法則で書ける
・ぱっと見わかりやすくなる
・字を間違えてもすぐ消せる
パソコン、スマートフォン、タブレット
※データ共有できるツール(iPhoneとMacの「メモ」など)
・いつでもどこでも追記できる
・手書きとは違う脳を使う

「ブレインダンプ」では「紙に書く」ことをすすめています。

「ブレインダンプ」の別称は「Think on Paper」といわれているように、紙の上で考えるという手法だからです。

(『ブレインダンプ』P103 「なぜ「紙に書く」ことが必要なのか」より)

目的は、自分のあたまの中を絞りだすことですから、自分がもっとも自由に使えるツールが一番です。

なので、筆者はパソコン、スマートフォン、タブレットもありだと考えています。

その時は、「データ共有できるツール」を使うことがポイントです。

例えば、iPhoneの「メモ」アプリだとPCやMacでもデータを共有できてとても便利です。

参考②書く場所」(どこで書くか)

おすすめの「書く場所」はこちらです。

こちらも、谷澤 潤 氏木村 勝 氏筆者のおすすめを紹介します。

谷澤 潤 氏のおすすめ

『ブレインダンプ』 P31「アウトプットする場をつくる」より

「書く場所」理由
書斎大きなデスク・目的達成のための意思を弱めないためあえて書斎
・大きなデスク(1200mm×800mm)は必須

木村 勝 氏のおすすめ

『東京セカンドキャリア塾』 選択講座「これからの働き方Part1」より

「書く場所」理由
ひとり合宿(都内のホテル、 地方の温泉宿など)・一人で考え抜くため日常を遮断
・できれば泊まりこみ

筆者のおすすめ

「書く場所」理由
カフェ(長時間いられるお店)
シェアラウンジ
・なぜか集中できる
・自分の部屋とは異なる刺激がある
自分の部屋
DIYで作った大きなデスク
・ほしい資料をすぐに手に取れる
・DIYで大きなデスク(1500mm×600mm)をつくったので

「書く場所」も目的達成のためには、自分が集中できて連想活性化する場所であれば、とくに制約はありません。

深堀りした「自分の心」の領域はズバリここ

「ブレインダンプ」で深堀りした「自分の心」の領域はどの部分でしょうか。

心理学の視点で解説します。

これをおさえておくと、自己分析の幅が広がります。

[1] 「開放の窓」「秘密の窓」:心理学者ジュセフ・ルフト、ハリ・インガムの「ジョハリの窓」より

[2] 「意識」「前意識」:精神分析の祖フロイトの「意識の3領域」より

[1] 「開放の窓」「秘密の窓」:心理学者ジュセフ・ルフト、ハリ・インガムの「ジョハリの窓」より

「ジョハリの窓」は、研修や人材教育プログラムで広く活用されている心理モデルです。

サンフランシスコ州立大学の心理学者、ジョセフ・ルフト氏とハリー・インガム氏により発表されました。

図式化するとこのようになります。

ジョハリの窓

自分に対する理解を4つの領域に分類しています。

視点は2つ、「自分」からみる視点と、「他人」からみる視点です。

  • 開放の窓:自分も他人も知っている自分です
  • 秘密の窓:他人は知らず自分だけが知っている自分です
  • 盲点の窓:他人は知っているが、自分は気づいていない自分です
  • 未知の窓:自分も他人も知らない「未知の自分」です

「ブレインダンプ」では「開放の窓」「秘密の窓」を深堀りすることになります。

忘れていることを含め、あくまで “自分が気づいている自分” の領域です。

“自分が気づいていない自分” へのアプローチはまた別の方法になります。

[2] 「意識」「前意識」:精神分析の祖フロイトの「意識の3領域」より

精神分析の創始者であるジークムント・フロイトは、ヒトの意識は3領域からなると提唱しました。

フロイトの考えは、現代の多くの心理学理論に影響をあたえています。

その3領域とは

「意識」「前意識」「無意識」です。

図式化するとこのようになります。

心の3領域
  • 「意識」:「認識している自分」の領域です。心の構造は氷山にたとえられますが、「意識」の部分はとても小さいですね。
  • 「前意識」:普段は忘れていますが、努力すれば意識できる領域です。ここに、忘れている「自分」の大切な部分がたくさん眠っています。
  • 「無意識」:意識されないのですが、行動や感情に影響を与える心の領域を指します。フロイトは、「無意識は人間の精神活動の大部分を占め、意識的な思考や行動に影響を与える」と考えていました。

「ブレインダンプ」では「意識」「前意識」を深堀りします。

「無意識」へのアプローチはまた別の方法になります。

まとめ:まずは自分の本音を絞りだす

今回は、「ブレインダンプ」という手法をつかって、自分のモヤモヤした考えを整理する方法を解説しました。

ここまで読み進めた方は、

「もういいかげん、このモヤモヤをスッキリさせたい」

と強く思っている方です。

今回の記事を読みつつ、ぜひ実際に手を動かしてみてください。

「ブレインダンプ」は2ステップのみです。

Step1だけでもかなりの効果があります。

[Step1] 手を止めずに書き続ける

[Step2] 書き出したものを俯瞰しグルーピングする

地道な一歩ですが、将来必ず「あのとき一歩踏み出してよかった」と思います。

今回は以上です。