この記事では、「定年3.0」大江 英樹 著(日経BP社)をご紹介します。
「定年後」の「お金」「健康」「孤独」の問題を気軽に考えることができるおすすめの本です。
大江さんは、大手証券会社で定年まで勤め、定年後は再雇用で働くも嫌になり半年後に退職し、いきなり起業した経歴を持つ方です。
45歳の時に出世ルートから外されたり、退職後に起業しても2年間はほぼ収入がなかったりと、死線をくぐりぬけてきています。
その後は、経済コラムニストとして活躍され、「定年」や「年金」を中心に数多くの著書があります。
この本は、日経新聞のWebサイト「NIKKEI STYLE」内で連載していたコラムを書籍にしたものです。
1話ごとに読み切りで、長さもちょうどよく気軽に読み進められます。
さっそくご紹介します。
5つのテーマ

内容は「定年後」に興味深い5つのテーマで章立てしてあります。
「年金」「働き方」「ライフスタイル」「資産運用」「健康」です。
どれも「定年後」に気になるものばかりですね。
別記事でご紹介している、「定年後」に働く理由のベスト3は
「生活費」「生きがい」「健康」でした。
ばっちり網羅していますね。
別記事で「定年後」の働き方を詳しく解説しています。こちらもぜひお読みください»
「年金」の話

大江さんの専門である「年金」や「資産運用」の話はとても参考になります。
「年金」は本当に足りないのか、本当に破綻するのかを冷静に解説し、「そうでもないよ」とアドバイスをもらえます。
一般的な意見を鵜呑みにしないで、「自分自身でちゃんと考えよう」という視点で解説してくれます。
お金の話は、目先の損得勘定や老後破綻の大げさな記事が多く「不安」が先行しがちですが、人生の先輩、しかも専門家から「そうでもないよ」といわれると安心するものです。
「あわてず」「自分のスタンス」で考えればいいのだな、と平常心に戻れるわけです。
別記事で「一般的な意見を鵜呑みにせずに考える」ために役立つ書籍を紹介しています。
定年後に必要な「心意気」

タイトルの「定年3.0」とは、社会の変化に伴い、定年後の人生のあり方も第3のステージに変化しているという意味が込められています。
その変化の中で「何が大切」なのか、大江さんの考えは「はじめに」を読むとよくわかります。
定年3.0の時代を生き抜くには、これまでと違って「お金」「健康」「孤独」の3つの問題をそれぞれが解決していかなければならなくなったのです。
私自身が定年の生活を体験し、多くの定年退職者と接してきた経験から言えば、そのための最も重要なキーワードは「自助」です。(中略)
「自助」というのは誰かに教えてもらったり、人の言う通りに生きたりするのではなく、自分の頭で考え、決断し、全て自分でまかなうとういうことです。
したがって「定年3.0」の時代を生きていくことは、人間本来の「自立する」という姿に戻ることでもあるような気がします。
(P3〜4「はじめに」より)
これからの時代に大切なことは、「自助」=人間本来の「自立」なのですね。
人生の大先輩が経験から感じる言葉ですので「重み」があります。
「おわりに」に大江さんの「心意気」が感じられる言葉があります。
誰にとっても「絶対正しい定年後生活」などというものがないのは確かですから、「定年後3.0」の世界では「老後生活はこうあるべき」といった周りの雑音など気にしてはいけません。
セカンドライフは自分のやりたいように過ごすべきです。人が何と言おうが、そんなことは余計なお世話です。
定年後生活に最も重要なキーワードは「自由」だからです。
ぜひ皆さんにも「定年後くらい自分の好きにさせてよ」という気概をもって“大人の自由”を楽しめるようになっていただきたいと思います。
(P269 「おわりに」より)
定年後生活に最も重要なキーワード。
「自 由」
大江さんが定年後に起こした会社が「株式会社オフィス・リベルタス」なのもうなずけます。
「リベルタス」とはラテン語で「自由」という意味があるそうです。
「はじめに」と「おわりに」だけで読む価値がある本です。
大江さんの書籍紹介
大江 英樹さんの書籍は、「定年後は好きにやろうぜ!」という“大人の自由”を楽しむ気概が感じられるものばかりです。
ご紹介して終わりにいたします。
「定年」に関して読んだ本の中で、影響を受けたベスト1は?と問われたら、間違いなく「定年男子の流儀」であると即答します!
『定年前、しなくていい5つのこと ~「定年の常識」にダマされるな!~』を読むと、定年後に対する不安な気持ちが払拭されます!
今回は以上です。