この記事では、「なにをどう考えればよいのか」という方法論を学べる「自分のアタマで考えよう」ちきりん著(ダイヤモンド社)をご紹介します。
これから「定年後」を考えていくうえで、「知識」に惑わされず「思考」していくための手助けになるはずです。
ちきりんさんは著名なブロガー・著述家で、ブログ「Chikirinの日記」のほか、数々の著書が出版されています。
本名と顔を公表していないのですが、Wikipediaによると、経営コンサルタントである伊賀泰代さんではないかとの記載がありました。
この「自分のアタマで考えよう」は、「定年後」を考えるときに、もしかしたら一番初めに読むべき本かもしれません。
いや、「定年」関係なく今すぐ読むべき本です。
私は「衝撃」を受けました。
「定年後」について色々と“考え”はじめていた時に読んだのですが、読んですぐに、自分は本当の意味で“考え”ていなかったのだなとわかったからです。
序文にこのような記述があります。
「自分は今、必死で考えているんだ!」と主張する人の頭の中をのぞいてみたら、そこは、
「ああ、どうしよう。困った。このままじゃダメだ! とりあえず様子をみてみようか? いやダメだ。それじゃあ悪くなるばっかりだ。なんとかしなくちゃ。でもどうすればいいんだろう? 誰かに相談すべきだろうか? でも誰に? 誰に話せばいいんだ? うーん、いったいオレはどうすればいいんだろう⁉」
という状態だったりします。これを私たちは「考えている」と呼ぶのでしょうか? これが「思考」でしょうか?
とてもそうは思えませんよね。むしろこれでは「なにも考えていない」状態に近い気さえします。
(P2 「序」より)
私ははじめの頃この状態がけっこう多かったので、なかなか先に進みませんでした。
そりゃそうです。「なにも考えてない」状態に近かったのですから。
ちきりんさんは、社会人になったころ「もっとよく考えろ!」と何度も叱られたそうです。
その時の自分に役立つような、読んでいて楽しい「考えるための方法論をまとめた本」を書いたそうです。
「考えるって、つまりなんだよ?」とか「なにをどう考えればいいのか、誰か教えてくれよ!」と感じている人は必読書といえます。
さらに、8章「データはトコトン追い詰めよう」では、客観的と思われる「データ」も、それを根拠にした専門家やマスコミの情報も、鵜呑みにしないで自分で考えてみることの大切さが書いてあります。
「定年」に関する厚生労働省のデータも、内閣府という権威の「高齢社会白書」も、マスコミの情報も鵜呑みにせず、いったん自分で考えてみることが大切なのですね。
私の別記事(»「定年後」は皆どうしているのか?【データで見る定年後】)も鵜呑みにできないことになっちゃいますが…
「さいごに」に、はげましの文章がありましたので、ご紹介して終わりにしたいと思います。
自分の頭だけで考えていると、最初は泣きたくなるくらい幼稚な考えしか浮かんできません。ついつい答えをみたくなってしまいます。考えの深い人や博識な人が近くにいれば、すぐにその人の意見を聞きたくなってしまいます。でもそこをグッとこらえて自分で考えるんです。
(P244 「さいごに」より)
この言葉、私は鵜呑みにしました。
今回は以上です。