体験ルポ!「シニアしごとEXPO2024」に参加してみた!

シニアしごとEXPO2024

この記事では、2024年10月2日に新宿で開催された「シニアしごとEXPO2024」に、筆者自らが参加した実体験をもとにご紹介します。

「シニアしごとEXPO」というイベントをご存じでしょうか。

筆者はつい最近まで知りませんでした。

「シニアしごとEXPO」とは、2018年10月にスタートした東京都が主催する事業です。

東京都は、シニアが「生涯現役」でいきいきと活躍できる社会の実現を目指し、2018年に「シニア就業応援プロジェクト」を立ち上げました。

プロジェクトは3事業からなり、その中のひとつが「シニアしごとEXPO」です。

ネーミングがどストレートですね。

ちなみに「シニア就業応援プロジェクト」3事業とは、①東京セカンドキャリア塾、②東京キャリア・トライアル65、③シニアしごとEXPOの3つです。

「東京セカンドキャリア塾」については、別記事で「筆者みずからが参加した体験ルポ!」をご案内していますので、興味のある方はそちらもぜひご覧ください。

「シニアしごとEXPO」は、毎年10月に「新宿」「立川」で実施されているイベントで、目的は「シニア就業の気運を醸成する」ことです。

また、「合同就職面接会」も同時に実施しています。

今回は、2024年10月2日に「新宿」で開催されたイベントに参加してみました。

結論からお伝えすると、良くも悪くも「行政が真面目に取り組んでいるイベント」だなと感じました。

どのようなイベントであったか、さっそくお伝えいたします。

「シニアしごとEXPO」会場まで

新宿NSビル

会場は、新宿NSビルでした。

入口のイベント告知ボードにも大きなイベント告知ポスターが貼られており、お金をかけているなあと感じさせます。

ロビーの真ん中がかなりにぎやかでした。「これか!」と思いましたが、すぐに勘違いだとわかりました。

それは東北地方の物産展でした。つい立ち寄ってしまいましたが、本日の目的はここではありませんので先を急ぎます。

次に見えたのが、入口に並ぶ長蛇の列です。

「これか!入場するのに並ばないといけないのか。」

これも勘違いでした。喫煙ルームの順番待ちの方々でした。

やみくもに歩かずにフロアを確認したところB1Fでしたのでそちらに移動。

はじめから確認して行動すべきでした。

受付で立派な布製バッグ(冒頭の写真)に入った書類一式をいただき、さっそくスタートです!

軽いショックを受けた「バーミヤン」ブース

フロア案内

入口には、ビッグサイトなどで催される「〇〇EXPO」さながらに、立派な会場案内が設置されていました。

コンパクトな会場で、来場者は少なめといったところでした。これは時間帯によると思われます。

10:30〜の「東京セカンドキャリア塾(アクティブシニアコース)」開校式では、多くの人でにぎわっていたことでしょう。

はじめに目に飛び込んできたのは、すかいらーくグループ「バーミヤン」のブースです。

ここで軽い衝撃がありました。

それは、「ファミレス10分間就業体験」コーナーだったからです。このようなコーナーは全く想定外でした。

バーミヤンブース

これは、とんでもなく場違いなイベントに来てしまったかなと少し焦ってしまいました。

よくよく考えてみれば、それほどまでに外食業界は人材不足であるということなのだと思います。

合同就職面接に参加している企業にも、日本マクドナルドの名前がありました。

「主婦の働きたい午前の時間帯」と「学生が働きたい夕方からの時間帯」の間に、「空白の時間帯」があるとのことです。

シニア層はその「空白の時間帯」を埋めることを期待されています。

真面目でよく働くシニア層に目をつける企業は先見の明がありますね。

軽いショックを受け立ちつくしていると、案内の方から「冷やし中華の盛り付け体験」をすすめられました。

さらなる予想外の展開に臆してしまい、曖昧な笑みを浮かべながら辞退してしまいました。

東京しごとセンター「しごと発見グラフ」をやってみた。

東京しごとセンターブース

東京しごとセンターブースでは、「しごと発見グラフ」をすすめられました。

気を取り直して今度はトライしてみました。

60問の質問用紙に回答を書き込むとグラフ化してくれるものです。

筆者は「福祉・サービス係」と「現業系」業務に「興味」と「自信」があるという結果でした。

確かに、ホームセンターに行くと使うあてもない「作業着とヘルメット」を毎回試着してしまいます。

このことが結果にスルドくあらわれているのかもしれません。

こういう適性検査は当たる当たらないというより、「視点」や「視野」が変わるキッカケになることが重要なのではないかと思います。

「アクティブシニア就業支援センター」をはじめて知った!

アクティブシニア就業支援センター

今回のEXPOで最も興味深かったのはアクティブシニア就業支援センターのブースでした。

「アクティブシニア支援センター」とは、東京都、東京しごと財団が支援している55歳以上の方を対象とした地域密着型の就業支援施設です。

はじめて知りました。

都内に10か所設置されており、提供しているサービスはすべて無料

地域に特化した職業紹介もしているというなかなかスグレモノの施設です。

10か所はそれぞれ運営母体がことなります。

新宿なら「公益財団法人新宿区勤労者・仕事支援センター」、大田なら「社会福祉法人 大田区社会福祉協議会」が運営母体です。

一覧表にしてみました。

地区名称運営母体
新宿区新宿新宿わく☆ワーク公益財団法人
新宿区勤労者・仕事支援センター
中央区八丁堀シルバーワーク中央社会福祉法人
中央区社会福祉協議会
品川区西品川サポしながわ社会福祉法人
品川区社会福祉協議会
大田区西蒲田大田区いきいきしごとステーション社会福祉法人
大田区社会福祉協議会
葛飾区立石ワークスかつしか社会福祉法人
葛飾区社会福祉協議会
板橋区板橋はつらつシニアいたばし社会福祉法人
板橋区社会福祉協議会
板橋区高島平はつらつシニアいたばし分室
三鷹市下連雀わくわくサポート三鷹NPO法人
シニアSOHO普及サロン・三鷹
府中市府中いきいきワーク府中公益財団法人
府中市勤労者福祉振興公社
稲城市東長沼はつらつワーク稲城社会福祉法人
稲城市社会福祉協議会
立川市曙町立川商工会議所無料職業紹介所立川商工会議所

こちらのブースも積極的で、あれよあれよという間に、大田の就業支援センター「大田区いきいき仕事ステーション」に案内されたのです。

こちらでは誠実そうな担当の方とお話させていただきました。

キャリアコンサルタントの資格をお持ちで、短い時間でしたが有益な「視点」を得ることができました。

聞き方がうまいのでつい色々と話してしまいました。基本傾聴の姿勢なのですが、途中途中でさりげなくもスルドい質問があり、さすがだなと感心してしまいます。

年齢が近そうでしたので、こちらからもお伺いしてみました。

現在59歳で、以前は金融関係にお勤めだったそうです。リーマンショックを契機に一念発起され、早期退職募集で職を変えたとのことでした。

その時決心してよかったとおっしゃっていました。やらなかったら悔いが残っていただろうとのこと。

人生100年時代ということでリンダ・グラットン著「LIFE SHIFT」の話にもなり、会話がはずみます。またどこかでお会いしたいなと思う方でした。

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「中村雅俊さんトークショー」に参加してみた!

中村雅俊さんトークショー

「アクティブシニア就業支援センター」を知れただけでもEXPOに来たかいがあったなと思いつつ、せっかくなので13:45からの「中村雅俊さんトークショー」にも参加してみました。

「中村雅俊さん」といえば、筆者の世代だと「俺たちの旅」や「ゆうひが丘の総理大臣」が印象深く記憶に残っています。

ここは会場一番の賑わいでした。

いつからこんなに人が増えたのだろうか、まったく気がつきませんでした。

午前中には、元サッカー選手「松木 安太郎さん」が登壇されています。

こういったイベントに誰を呼ぶのかを企画するのは、さぞかし大変だろうなと思ってしまいます。

「中村雅俊さんトークショー」は30分、あっという間に終わってしまいました。

印象的だったのは、「俳優という仕事は1年先どうなっているのかわからない商売。先のことはあまり考えずに、今できることを一生懸命やっていた。」という言葉です。

さりげない一言でしたが、稲盛和夫著「生き方」にも同じ内容のことばがあったことを思い出しました。

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何かを成し遂げる人の共通の認識なのですね。

サブステージ、プラチナキャリアセンター、行政機関ブース

シルバー人材センターブース

トークショーが終わったあと、往年の中村雅俊ファンと思われるご婦人方に押し流されるように出口に向かってしまいました。

途中シルバー人材センターやハローワークのブースを横目に見ながら、流れに反し会場をもう一周してみました。

シニアしごとEXPO2024会場

シルバー人材センターについては、筆者が実際に入会した体験談を、別記事 »『体験ルポ!「シルバー人材センター」に入会してみた。』で紹介しています。興味のある方はそちらもぜひお読みください。

シルバー人材センター

サブステージでは、「健康寿命を延ばす!脳と体を鍛えるウォーキング+靴選び&履き方」という、少し高齢の方を意識した講演がやっていました。

このEXPOのターゲット年齢層はかなり広く設定している印象です。

プラチナキャリアセンター、行政機関ブースは、なかなかお話を聞くという雰囲気でもなく、パンフレットをいただくだけにとどめました。

杉の傘マーカー

出口でアンケート記入者には、杉材で作った「オリジナル傘マーカー」を配布しておりました。

ビニール傘がすぐなくなってしまうので「傘マーカー」が欲しいと思っていましたので、ちょうどよかったです。

絶対に持っていかれないだろう「ロゴマーク」も入っていますし。

別会場でおこなわれていた「シニア就職面接会」は事前予約なしでも参加できるとのことでした。

参画企業は、日本マクドナルド、アマゾンジャパン、イオンリテールなど30社

外食、物流、小売り、福祉、警備など人材不足が深刻な業界が多い印象でした。

「シニアしごとEXPO 2024」まとめ

全体の感想は、冒頭にも書きましたとおり「行政が真面目に取り組んでいるイベント」であると感じました。

そして、「企画を担当されている方が、アイデアを絞り出した苦労」がしのばれました。

何をやれば、目的である「シニア就業の気運を醸成」できるのだろうかと真剣に考えたのではないでしょうか。

ただ、その企画には、「シニアの方」はいらっしゃらないかもしれません。

実はシニア世代というのは思春期の若者のように流動的でセンシティブなのです。

私もなってみるまでわかりませんでした。

「年齢層別の志向」が細かく分かれているように感じます。

3~4年ぐらいの幅で意識や志向が大きく変わるのではないでしょうか。

あたかも中学生が高校生、高校生が大学生になる過程で、志向が大きくかわるようにです。

57歳~60歳、60歳~63歳、63歳~66歳…世代別に全く違うのです。

そう考えると、このイベントの担当者はそうとう困難な命題を与えられたといえます。

「中学生から社会人3年目までの人を対象にした、就業イベント考えて」なんて言われたに等しいのですから。

来年また参加してみようと思っています。担当の方々にはこの難しい目的に向かってチャレンジしてもらいたいと心底思います。

今回は以上になります。